すべてのコマが鏡面に仕上げられ、ロレックスならではの精密な工作が息づく。そのしなやかな構造は、古典的なジュエリーブレスレットを思わせつつも、現代的なセンスが漂うのだ。
特筆すべきは、ケースとブレスレットの間にあえてわずかな隙間を設けた点である。この「非一体型」とも呼ぶべき意匠によって、クラシカルなドレスウォッチとしての方向性がより明確に示され、近年のスポーツモデル的な一体デザインとは一線を画している。留め具にも、ロレックスらしい徹底した工夫が見受けられる。隠しクラウンクラスプはブレスレットの流れに溶け込むように設計され、外からは王冠マークだけが姿を見せる。内側は高光沢に磨かれ、まるでジュエリーのような仕上がりだ。
ケース径は39mmで、基本的な造形は従来のモデルと変わらない。厚さ9.5mm、繊細に刻まれたフルーテッドベゼル、そして短くわずかに傾斜したラグのバランスは絶妙で、装着感は驚くほど快適だ。
ロレックス N級ホワイトラッカー仕上げの文字盤はあえて装飾を抑え、ファセットカットされた針の動きが作り出す光のリズムを引き立てる静かな舞台となっている。搭載されるムーブメントは、自社製自動巻きのCal.7140。コート・ド・ジュネーブ装飾、イエローゴールド製のスケルトンローター、クロナジー脱進機、シロキシ・ヘアスプリングなど、最新技術と伝統的な仕上げが見事に融合している。パワーリザーブは約66時間。その内部構造は、まさに機能美そのものである。
だがこの価格差は、単に金の重量の問題ではない。見た目の印象、装着感、そして時計全体の完成度、すべてにおいて、別格の体験をもたらす。この時計はレザー装着モデルの単なるバリエーションではなく、ひとつの独立したアイデンティティを持つモデルではないだろうか。
2025年秋、カルティエからふたつの「サントス ドゥ カルティエ」が発表された。ひとつはブラックダイアルを備えたステンレススティールモデル。もうひとつはなんとケースにチタンを用いたモデルだ。ツールウォッチ等に使われがちな「チタン」という素材を、カルティエは見事にカルティエ流の「エレガンス」へと落とし込んだのである。『ウォッチタイム』アメリカ版編集者であるゼン・ラブが、今回のモデルでいかに上手くカルティエが「仕上げた」のかを、実際に触りレビューする。カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」における究極の表現となるのは、もしかしたらチタンかもしれない。カルティエは2025年にふたつの新しいサントスを発表したが、予想外のチタンモデルが注目をさらったのだった。「カルティエ」と「ビーズブラスト仕上げのマットチタン」という組み合わせは、直感的には結びつかないように思える。しかし、新しいサントスは、この軽量金属の持つクールさと、フランスのブランド特有のエレガンスを、絶妙なバランスで融合させた注目すべきモデルなのである。
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